入社してから3ヶ月もたった日に、雇用保険の加入手続をしたのは、誰の責任?
もちろん会社の責任です。
雇用保険の加入日は、雇用保険に加入できる資格がある社員なら、入社日です。
「さかのぼり加入と言っても、私はもう会社を辞めてしまっているし、そんなこと出来るの?」
「出来るはずですよ。入社したときの雇用形態は、正社員でしたか?
それとも・・」
「正社員です。毎日、9時から6時まで会社に行ってましたから。」
「それなら、入社日付けで、雇用保険の加入手続をしていないと法律違反ですね、その会社は。」
「え~っ、それじゃあ、どうすればいいんですか?前の会社には、もう電話したくないんですけど。」
「1年前に入社されたのでしたね?そのときからの給与明細書は残ってますか?」
「あっ、はい。あると想います。前の会社のだけでいいんですよね?
でもどうしてですか?」
「入社当初からの明細書と2枚の離職票を持って、もう一度ハローワークへ行って、『この通り、入社時から雇用保険の加入の資格があるのに、会社が3ヶ月入れてくれなかったので、今からさかのぼり加入したいので、手続して下さい。』とお願いしてみて下さい。おそらく、ハローワークから、その会社に電話してくれると想いますよ。またはあなたからそのようにしてくれるようにハローワークの方に頼んでもいいはずですよ。」
「そうするとどうなるのですか?前の会社の雇用保険は12ヶ月加入と言うことになるから給付がもらえるようになるって事ですか?それと、さかのぼり加入した分の雇用保険の保険料は私も払わなくっちゃいけないのですか?」
「自己都合退職なので、退職前2年間のうちに12ヶ月以上雇用保険の期間があれば、給付はもらえます。1ヶ月というのは、会社に11日以上出た月を言いますが、欠勤が多かった月がありますか?」
「無いです。全部皆勤してました。その前の会社の10年間は、やっぱり捨てるしかないですか?」
「その10年勤務した会社を退職したときから、今の会社に入社するまでの間は1年以内ですか?前の会社を辞めたときには雇用保険はもらわなかったのですか?」
「ええ、すぐ仕事が決まるはずだったので、もらわなかったんですけど、いろいろあって、延びてしまって、結局今の会社に勤めたのは、その会社を辞めてから、たぶん10ヵ月くらいだったと想います。」
「それなら、今回さかのぼり加入すれば、前の10年も通算されますよ。」
「え~っ、本当ですか?そういえば、ハローワークでも、今のままだと、前の会社の10年分も合計できないって言われました。」
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☆ このコラムを読んで下さっているあなたへ
雇用保険の期間の通算とは何でしょうか?
会社を辞めた後、雇用保険から基本手当をもらわないで、あるいは雇用保険の加入期間が短いので、失業給付がもらえない状態のまま再就職が決まって、その再就職先の会社でまた雇用保険に加入したときに、前の会社の雇用保険の期間を通算することが出来ます。
☆ ただし、大事なことがあります。
転職は1年以内に
前の会社を退職してから(雇用保険では被保険者資格を喪失したと言います)1年以内に次の雇用保険に加入(こちらは被保険者資格取得)しないと、前の会社の被保険者期間が消えてしまいます。 また、前の会社を辞めたときに、基本手当を受給すれば、それ以前の雇用保険の期間はすべてゼロにリセットされます。転職先を見つけるのは自分の都合だけでできるわけではないですが、1年以内の再就職を目指してください。
☆ 2つの雇用保険の期間を合計したときに、離職理由は、原則として、直近の離職票の離職理由を取りますが、必ずというわけではありませんので、事前にハローワークで確認して下さい。
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つまりこの方の場合はこうだったのです。
1. A社(前の前の会社)に10年勤めて、退職した。A社の離職票はまだ持っている。
2. 雇用保険の基本手当をもらわずに、10ヵ月目でB社に再就職した。
3. B社は、入社日付で雇用保険加入手続をするべきなのに、3ヵ月後の日付で
加入手続をした。
4. B社を1年後に辞めた。
5. B社での雇用保険は9ヵ月しかないので、自己都合退職の給付がもらえる条件
(12ヵ月)に満たないので、この離職票だけでは、基本手当がもらえない。
6. A社の雇用保険の10年間も、退職してからB社で雇用保険に入ったときが
13ヵ月目なので、1年以上空いてしまっているので、合計できない。
7. どっちにしても基本手当はもらえない。
これが、さかのぼり加入すれば、
1.A社を退職したときから、B社で、雇用保険に入るまでの期間が10ヵ月となる。
2. B社の離職票だけでも90日分の基本手当がもらえる。
3. 1.の理由で、A社の10年分の雇用保険の期間が通算される。
4. 雇用保険の期間がA社分とB社分が通算されて11年になるので、90日ではなく
120日分の基本手当がもらえる。
これは大きな違いですよね! (つづく)