ボーナスをいつ、誰に払うかについては、通常は就業規則または給与規程に書いてあります。
ここをまず確認して下さい。
もし、『ボーナスは、支給日に在籍している者に支給する(在籍要件といいます)』となっていたら、この規程をそのまま当てはめれば、 ボーナス支給日前に退職していれば、そのボーナスはもらえないということになってしまいます。
だからといって、もらえる可能性が全くないわけではありません。
例えば、整理解雇されたような場合です。
解雇は、退職日を会社によって決められてしまうので、『ボーナスをもらってから辞めよう』といった社員の希望を反映できません。
更にいえば、通常ボーナスというのは過去の一定期間の勤務実績に対して払われるという性格のものなので、
退職する時点で、ボーナスの対象期間全期間について勤務していれば、払ってくれるよう要求しても構わないのです。
具体例として、6月15日支給のボーナスは、昨年の10月から今年3月までの勤務期間が対象だとします。
この会社の社員が、5月末で整理解雇されたとすると、既に6月のボーナスの対象期間は働いたのに、
会社都合で支給日前に辞めさせられるのですから、6月15日支給のボーナスを前倒しで払うように請求しても、何ら問題ないと言えます
ただし、請求することと、会社に支払義務がある、ということは別の話です。
ボーナスの支払義務については、労働基準法上に明確な決まりがないので、会社と従業員との間の約束事で決めることになります。
だから会社は就業規則の中で、ボーナスの支給日に在籍者にしか払わないと決めても法律に違反しないので、
会社には支払義務はないと言ってくることがあります。
では、そのようなときはどうすればよいでしょうか?
ここは話し合いで解決するしかありません。
請求することにも、正当性がありますから、臆せずきちんと根拠を示して、請求しましょう。
その結果、お互いに合意できるような落としどころが見つかれば、それが一番良いのですが、合意に至らない場合には、
外部の紛争調整機関(労働局のあっせん、労働審判、簡易裁判所の少額訴訟(60万円まで)や通常訴訟(140万円まで)に持ち込んで、決着を図るという方法もあります。ただし、必ずしも全面的に勝てるというわけではありません。
結果として譲歩せざるを得ない部分があっても、両者間で合意が成立する方が現実的です。
でも、自己都合だったら、話は変わってきます。
どうしてかというと、原則として、自己都合は辞める日を社員が決められるからです。
就業規則をよくチェックしておいて下さい。