もし、あなたが会社から即時解雇されたとします。30日分の解雇予告手当はは払われましたが、解雇の理由があいまいで到底納得できません。日が経つにつれてだんだん怒りが増してきました。「なぜ自分だけが解雇されたのか?」「解雇の本当の理由は何か?」「それにしても何の前触れもなくいきなり解雇はひどい!」等々、このままの心理状態ではとても再就職に気持ちが向きませんね。
そもそもこんな解雇は有効なのでしょうか?
こんなとき、まず、一番にどこに相談に行きますか?
まず思い浮かぶのは労働基準監督署ですね。
労働基準監督署では、解雇については、話は聞いてくれますが、労働基準監督官が(カトクであっても)会社に調べに行ったり、解雇を取り消すよう指導したりはしてくれません。残業代を払ってくれないという訴えには、動いてくれるのに。。。
どうしてでしょうか?
解雇は、労働契約法16条に、「合理的な理由のない解雇は無効とする」と規定されていますが、反対に、会社には合理的な理由があって、その理由が社会通念上相当であれば、社員を解雇しても、法律違反とならないのです。
この合理的な理由があり、しかも社会通念上相当であるかどうかの判断をするのは、会社や労働基準監督署ではなくて、今までは裁判所が判断していました。
つまり、解雇無効を勝ち取るには、解雇された社員が裁判に訴えて勝訴判決を得るしかなかったのです。
ところが、ここ数年の間に、個別労使紛争の件数が急激にふえてきましたので、法律で裁判以外でも紛争解決できる仕組みを整備してきました。その一つがこの「あっせん」です。
あっせんを取り扱っているのは、各都道府県単位で設置されている労働局(労基署ではありません)、労働委員会や社会保険労務士会、産業カウンセラー協会などにあります。それぞれにやり方に違いがありますので、自分のケースを持ち込むにはどこが良いか事前に調べておくことが大事です。
なお、セクハラや男女差別などは労働局の雇用均等室というところがあっせん相談の窓口です。
また、特定社労士であれば、労働局や社労士会のあっせんには代理人としての業務ができますので、自分一人で会社に立ち向かうのは難しいと考えられるときや、会社との直接交渉はしたくないといった場合には、相談してみるのも良いと思います。
もう一つのメリットは、交渉事は一人より二人で行った方が心強いということがあります。
あっせんでもその他の紛争解決方法でも、会社は役員や部長、上司などに加えて、会社側の弁護士など法律の専門家を含めた大勢で対抗してきますから、それに一人で立ち向かうのはかなり大変です。親身になって支えてくれる人が必要です。特定社労士の良いところは、労働法や社会保険法、さらに会社の人事労務について実務をよく知っていることです。
私も特定社労士ですので、ご依頼があれば代理人としてあなたのために働きます。