2016年3月6日

歩合給にも時間外割増が付くんです

歩合給の割増賃金
営業職の方の中には、売上高に応じた歩合給が支給されていることもあるのではないでしょうか。
給与明細には、基本給+残業代+歩合給+通勤手当といった項目が並んでいるかと思います。
給与明細書はよく見て下さいね。そして2年間は、捨てないで持っていていください。

この残業代ですが、歩合給にも残業代が付くのをご存知でしたか?

歩合給は、たとえば、売上高の1%だったりします。
この場合、100万円の売上があれば、歩合給は1万円となります。
こうした計算方法は、会社が給与規定で決めていることなので会社ごとに違います。
売上歩合給をもらっている方でしたら、多分その会社の計算方法はご存知かと思いますが、不安なときは確認しておくと良いです。

この売上歩合給に対する時間外割増は、普通の残業代の計算方法とは少し違います。

売上高というのは、いくらまでが所定労働時間内の売上で、いくら以上は残業時間中の売上かわからないので、歩合給の全額を総労働時間で割って1時間あたりの単価を出します。

上の図を見てください。普通の残業代の計算方法とは少し違っていますので、ご説明します。

例えば、今月の歩合給が18万円で、この売上を出すために、総労働時間(所定162時間+残業時間18時間)で180時間かかりました。
そうすると、歩合給の1時間あたりの単価は1,000円となります。
残業代はこの1,000円に割増率(法定なら25%)と残業時間数(18時間)をかけます。
1,000×0.25×18=4,500円
これが、歩合給に対する残業代です。
歩合給の残業代は割増分しか出ませんが、これで労基法を満たしていますから違反になりません。
これは、歩合給は総労働時間(ここでは180時間)分については18万円がすでに払われているので、あとは残業時間分の割増分だけ追加で払えば良いからです。

もちろん基本給部分に対する18時間分の残業代も発生しますから、残業代が2つ出てきます。

ここで、普通の残業代計算について確認しておきましょう。

普通の残業代は、(基本給+諸手当)÷ 所定労働時間数 ×(1+割増率)× 残業時間です。

具体例で見てみましょう。
基本給160,000円
営業手当 2,000円
所定労働時間:1ヵ月平均で162時間
残業時間:18時間
という条件で計算すると、
(160,000+2,000)÷162×(1+0.25)×18=22,500

今月の残業代は、合計で22,500円+4,500円=27,000円となりました。

歩合給の残業代のことは知らない会社もたくさんありますので、給与明細書をもらったらよく確認してください。

過去に遡って請求できるのは請求した時の直前の給料日から遡って2年分までです。(時効によりそれ以上前の期間については請求しても会社に時効を援用されてしまいます。)
また、給料明細書と毎月の総労働時間が証明できる書類をとっておいてください。
会社をやめてからでも未払い残業代として会社に請求できます。ただし急がないと時効でどんどん請求額が減って行ってしまいますのでお急ぎください。
2015年9月6日

サービス残業代は請求できる

サービス残業、みなし残業、許しません。 2年前までさかのぼって請求できます。

残業代を払ってくれるがその時間に上限があり、それ以上残業しても払ってくれない

残業時間に応じた残業代全額を支払うのは、企業の義務です。 働く側としては、しっかりと残業時間と業務内容の記録を残しておくことが重要です。 会社は、「残業命令していないから、残業代を払う義務はない」等と言ってくることがありますが、仕事をしていたのであれば、黙示の業務命令が出されていたことになるので、会社は給料を払う義務があります。ただし、請求できるのは請求月から2年前までしかさかのぼれないので、会社をやめた後で請求する場合は急ぎましょう。 (続きを読む…)