ハローワークで見た求人票の内容と違う契約内容で採用された。これって、わりとよくあります。
求人票はあくまでも広告なので、実際に採用されるときは個別の労働契約を結ぶことになるので、多少の条件の違いはあるかもしれません。
それでもあまりに違うときは、求人票の発行元のハローワークに通告して下さい。
たとえば、ⅰ)求人票に書かれていた時給に比べて低い、ⅱ)隔週で土曜出勤がある、ⅲ)交通費を出してくれないなどさまざまことが求人票の内容と違うとか、大事なことなのに書かれていなかった、といったことがあるかと思います。
社会保険、労働保険ありとなっていて、自分は基準を満たしているのに加入させてくれないのは違法です。
よくあるのが、2ヵ月契約だから、何度更新しても社会保険には加入させないとか(本当は入社時または3ヵ月目からは加入しなければいけないはずです)、雇用保険は半年勤めたら入れる(本当は、入社時から加入させなければいけないはずです)、といったことが行われていますが、これも違法です。
ちなみに上で書いた求人票と違う3つの労働条件については、労働基準法には違反してはいません。でも、そうはいっても、求人票に書かれていることとあまりに違えば、広告で言えば、誇大広告、虚偽表示に該当するおそれもありますので、ハローワークでも、放置しておけないということで、通告するようにチラシまで作っています。下の方にありますので見て下さい。(民間の求人広告の発行元も同じだと思います)
通告するときの連絡先は、その求人票をもらったハローワークでもよいし、ハローワーク求人ホットライン 03-6858-8609へ電話しても良いです。こうしたことが起きたときのために、求人票は捨てないで持っていましょう。
ただ、ハローワークのチラシを見ていただけるとわかるように、「会社に対して是正指導を行います。」となっているだけなので、個別の労働契約の一つ一つについて「時給を〇〇円にしなさい」とか「交通費を出しなさい」とまでは言ってくれないようです。
ただ、会社もハローワークから是正指導を受けると言うことは、今後の助成金の申請要件にも響きかねないので、もし是正指導を受けたら、よほどの悪質な会社でない限り、その後は問題が起きないように注意を払って求人票を作成すると思います。求職する側にとってはより正確な内容の求人内容となるわけですから、ハローワークには是非頑張っていただきたいと思います。
今は、人手不足の業界が多くあり、何とか人を確保しようと、見栄えの良い求人広告を出している会社がたくさんありますが、中身はさまざまです。あまりにひどく内容が食い違う求人票についてはハローワークに通告することで、将来的に排除することができると思いますので、是非この制度を活用して下さい。
ところで、求人票と内容が違う労働条件ですでに入社してしまっているときはどうなるのでしょうか?
書面で労働条件が通知されている場合や、労働契約書に署名押印している場合には、契約した後から、求人票の内容と違うと言っても、さかのぼって条件を変えてもらうのは難しいかもしれません。
最低賃金未満の時給(基本給の時給換算も同じ)ならこれは違法ですから入社時にさかのぼって修正できますが、その他のことは労基法違反の事実がないと(たとえば、サービス残業させられている)、ハローワークがどこまでやってくれるかはわかりません。でもやはりここで大事になってくるのは求人票ですので、入社が決まっても捨てないで持っていましょう。