雇用保険、通算すれば120日-1

コラム — タグ: — 2015年8月27日6:05 PM

「あの~、先生、質問があるんですけど・・・」と女性からの問い合わせ。

これは、私が、あるセミナーで雇用保険についての話をしたときのことだ。
対象は失業中の方達で、再就職をより早くできるように、職業能力のスキルアップを目指す、
という趣旨のセミナーだ。話の内容は雇用保険に限らず、失業期間中の社会保険についての
全般的な注意事項が中心だった。

雇用保険については、一番身近な基本手当(失業給付)を中心に説明した。

もう今では誰でも知っていることだが、例えば、『解雇や会社が倒産したことなどの理由による
離職については雇用保険の被保険者期間が6ヵ月以上あれば、基本手当は受給できる』等
がそれだ。

もう一つの大事なポイントは、雇用保険に加入できるかどうかは、会社が決めるのではなく、1週間の労働時間が20時間以上で、31日以上雇用されることが決まっている場合ということだ。働き始めたはじめのうちは20時間を超えていなくても、そのうち忙しくなってきて、毎週のように20時間以働いているときは、その時から雇用保険に加入することができる。
自分が、雇用保険に入っているかどうかわからないときは、給与明細書で雇用保険料が引かれているかどうかを確認すればよい。保険料は建設業や酒造業でなければ、給料の総額(税引き前の金額)の0.5%となっている。そのようなことを話してセミナーは終わった。

セミナーが終わってから、質問や相談が来るのは、受講者の方々がよく話を聞いてくださった
という証拠。講師冥利に尽きます。 ただし、ややこしい質問が多いのも事実。
この時も、「うっ、難しそうな話のような気がする・・・」

それでも、顔には出さず(のつもり)、「はい、どうぞ。どうされたんですか?」と私。

その女性の質問とは、

「私、離職票を2枚持っているんですけど、直近で辞めた会社が、3ヵ月雇用保険に入れてくれ
なかったので、その前の会社の10年の雇用保険の期間を合計できないってハローワークで
言われて。。。なので、今の会社の期間だけでは12ヵ月ないので、失業手当はもらえないって言われてしまって。。。
これって会社のせいですよね。何とかならないのでしょうか?」

私、「それって、自己都合でお辞めになったってことですか?お辞めになったのはいつ?」

「ええ、一応自己都合扱いってことで、先月末で退職しました。」

「一応、というのが引っかかりますが、離職理由が自己都合ということについては、あなたご自身も納得されているのですか?」

「ええ、まあそうです。」と、あまり深く追求しないでという風な目で、私を見るので、これ以上は突っ込まず、

「1年前に入社されたのでしたら、今から雇用保険のさかのぼり加入ができるのではないですか?会社にそう要求できますよ。」と話題を変える私でした。(つづく)