赴任先から自宅への帰りにけがをしましたが労災は使えるのですか?

労災事故の中には2つの災害のカテゴリーがあって、一つは仕事中に仕事が原因でけがや病気をした場合の業務災害と、自宅と就業場所との間の往復途中でのけがや病気をした場合の通勤災害とがあります。けがや病気になった本人が労災から受けられる給付や補償には、この業務災害と通勤災害との間に差はありません。

ご質問の件ですが、単身赴任者に限りますが、赴任先の住居と自宅との間の移動中に、災害が発生した場合は、通勤災害として労災から給付を受けることができます。たとえば、治療費(全額)、災害によるけがや病気で会社を休み、給料が出なかった時の所得保障(平均賃金の80%)、そのけがや病気で障害が残ったときの障害給付などがあります。

また、自宅と赴任先の就業場所間の移動も通勤災害の対象となります。

このほかにも、2つの会社に勤めている場合に、その会社間の移動中の災害に対しても労災が適用されます。ただし、前の会社と次の会社との間の移動だけです。たとえば、前の会社は休み、どこかへ出かけて、そこから次の会社に出勤したような場合は労災が認められません。

通勤災害が認められるためには、通勤経路を途中で寄り道したり、どこかに立ち寄ったりしてしまうと、そこから先は労災の適用から外れてしまいます。いろいろと例外的に適用された事例はあるのですが、原則は自宅と会社間をまっすぐ行ってまっすぐ帰ってくることが条件です。

労災の申請は怪我したり病気になった本人がします。会社は層のような事故があったことを証明することを求められますが、これは強制ではありません。もし会社が証明してくれなくても労災の申請はできますから、会社が登録されている労働基準監督署に相談してみましょう。本人が動けないときは家族の方でも申請できます。申請用紙は労働基準監督署にあります。

でも、けがや病気になってしまって、痛いとかつらいとかといった部分は労災でも補償してくれませんから、通勤のときは十分気をつけて怪我しないようにしてください。

私の地元では自転車通勤が結構はやっていて、スポーツ自転車で通勤している姿をよく見かけます。颯爽としていて、スピード感があって、恰好いいですが、事故にあわないようにしてくださいね。