日本海庄やの従業員過労死事件

マスコミ各社が9月27日に報道したところによれば、この過労死事件について、会社と役員個人の責任を認める判決が確定したとのことです。

この裁判は、最高裁に上告されたのですが、上告が退けられたことにより、損害賠償3930万円余+遅延利息(年5%)を会社と役員が連帯責任で、亡くなった社員のご両親にそれぞれ払うことになりました。損害賠償額の合計は新聞報道の通り約7863万円です。

この事件は、平成19(2007)年8月に起きた過労死事故で、亡くなる直近1ヶ月の残業時間は103時間で、直近4ヶ月間(ほぼ入社した時から)の平均は112時間となっていて、急性心不全による死亡の原因は過重労働であったことが裁判でも認められました。

この事件では、会社の責任を問う声が大きく、私もそのとおりだと思いますが、亡くなられた方は戻ってこないし、ご両親や友人の悲しみは消えることがないと思います。いくらお金が積まれても、この悲劇は消えないからです。

こうした過労死事件が跡を絶ちません。9月は「過重労働重点監督月間」として、労働基準監督署が、キャンペーンを行っているほどです。9月1日に行われた無料電話相談でも、残業代未払い、長時間・過重労働への相談が多く来たとのことです。また、家族から、心配だからと電話してきた件数が全体の20%にもなったそうです。

こうした現実を前に、働く人自身も早く気がついてください。
「私は大丈夫」とか、「他の人に迷惑がかかるから」や「他の人はみんな平気でやってるし、自分が弱いのだから頑張らなくてはいけない」といって、自分を守る気持ちを打ち消さないでください。

生身の人間ですから、以下のことを守るようにしてください。(これは最低限度です)
どんなに少なくても睡眠時間6時間は確保しましょう。(ただし、これで十分ということではありません)
1週間に、最低でも1日(24時間)は絶対に、仕事から開放される状態を作ってください。
1ヶ月の残業+休日出勤が100時間を超えたら、必ず医師の面談を受けてください。 会社の定期健康診断は必ず受けてください。
体や精神がきついと思ったら、誰かに、「助けて」と支援を求めましょう。

できっこないよと思う前に、一つでも2つでも実行してください。命を守るためですから。